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国旗の色ひとつ

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  ドップラー効果というものをみなさん知っているでしょうか。知っているでしょうね。 何度説明されてもいまいち理解できないんだけど、救急車とかのサイレンが聞こえたとき、最初に比べて通り過ぎた後の音が低く聞こえる現象のことらしいです。詳しい人がいたら僕にもう一度理解するチャンスをください。  少し前のちょっと体調が悪くて熱っぽい日の夕方、行くところがあって車を運転していた。信号待ちで停まっていたら、何らかの思想を持った一台の変な車が、国歌を響かせながら、そして小さな国旗をひらひらさせながら目の前を走り去っていった。ここでドップラー効果だ。 日本の国歌はただでさえちょっとどよんとした感じなのに ( ごめんなさい ) 、ドップラー効果によってそれはそれは不気味な効果を演出していた。余計具合が悪くなりそうで、悪い夢でもみているのかと思った。 夕方ってなんかそれだけでちょっとおかしくなるような、何が起きてもおかしくないような狂った感じがあるから、あんまり調子の良くないときは出歩かない方がいいかもしれないと思います。

墓地たち

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  試乗の日の話。中古車屋というのはある程度の敷地が必要なので結構田舎にあって、これから車を買いに行くのに、車じゃないといけないようなところにあったりする。調べたところ、一番近くの駅から 30 分も歩かなきゃいけなくなった。 それでもまあ楽しい用事なのでせっかくだからと歩いたんだけど、携帯の地図の案内に従っていたら本当にあってるのか心配になるような田んぼの間みたいなところをそこそこの距離いかなきゃいけなくて、そもそも入って大丈夫なのかも微妙だし、靴も汚れるしでちょっと笑っちゃうくらい大変な道のりだった。 それで、やっぱり中古車屋のまわりには中古車屋がたくさんある。いろんなところから運ばれてきた運転手のいない車たちはすごく静かで、さみしいけどたしかな質量を持っていて、近くにいると圧倒されるような重たい空気を作っている。そもそも車の正面はどうしても顔に似ていて、それもなんとなく感情に訴えかけてくる感じがあると思う。 どうしようもないくらいボロボロに壊れた車が集まっているところなんかもあって、そこの横を通る時は治安の悪い場所を通るような緊張感があった 。ちょっと ディズニーランドのカリブの海賊とかみたいな かんじ。 途中からなんとなくそんな気がしてたけど、着いたら店員さんに、え、歩いてきたんですか!言ってくれてば迎えに行ったのに!と言われ、それはそうだよなとも思いつつ、もし頼んで断られたら恥ずかしいと思って言えなかった自分をこっそり慰めていた。そういうことはよくあります。 帰りはそうしてもらおうかなと思っていたのにその時ちょうどスタッフが足りなくて、帰りも送ってもらえずタクシーで帰ることになった。  自分の車は写真の通りにかわいかった。結構地味だし、ひとに写真を見せても微妙な反応なんだけど、なんとなく自分ぽくていい車だと思う。色は元々の色でなく誰かが塗装したそうなのであまりひとと被らなそうだし、丸目と三菱のマークもかわいい。運転席のむかしのボタンが懐かしく見える。試乗なのでいまさっき歩いてきた細い道を運転するのかとちょっと嫌だったけど、まだナンバーがついていないので外は走れないと言われ、駐車場の中をちょっと進んでバックするだけという、正直あまりよくわからない試乗をした。古い車のエンジンの音はちょっと頼りないけど渋くていい音だった。お金もないので、なんとか当分は耐えてほしい

おわりはじまり

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  3 月 18 日が終わる。年が明ける時には思わなかったけど、いまぼんやり考えていると、一年前の 3 月がすごく遠く感じる。 いろんなことがありすぎた。今年の冬も長く感じて、夏の暑さやベタベタしたかんじがよく思い出せない。 最近少しあったかくなってきたかと思ったら今日は雨が降っていてすごく寒い。雨の中バッティングセンターに行った。ボールを打ち上げると上のネットに当たって、水がたくさん落ちてきた。それがおもしろいからというわけではないけど、今日は打ち上げてばかりだった。最近ずっとそうだ。 一昨日には大きな地震があった。慌てて庭に出たら大きなカエルがいた。 口内炎ができて、よせばいいのに口の中を舌で触っていると、妙に人工的な感じのする段差に気づく。海底に人工物発見、みたいな感じ。 車で少しうろうろしたけど 12 時は回らない。薬局で入浴剤を買った、レジで端数をうまく出そうとしたけど途中でよくわからなくなって、大きいお金で出した。そしたらポイントから端数の分を払えますと言われたので任せた。端数という言葉を初めて知ったのは高校生の頃、友達が普通に使っていて、感心した。 歯が痛くなったので歯医者に行ったら虫歯じゃなかった。念のためレントゲンを撮った。 以前お世話になっていた好きだった歯医者さんがなくなってしまったので、新しい歯医者だった。むかし治療した部分が、すごくきれいになっていますよと言われて、前の歯医者さんも一緒に褒められたようで嬉しかった。 仕事の絵を無理矢理間に合わせた。大学に入る前ずっと、自分より絵の上手い人はいたけど、自分だけが続けていることが少し嬉しくなった。 涼しいと、昔の風に感じる。全く同じではないけど、同じ場所で同じような風に吹かれて、あの時の繰り返しみたいだとちょっと思う。繰り返したいことはあるけど、そういうことがあれば、歳をとるのが少し怖くなくなる。 5 年で何ができたのか、どうなるのかわからないけど、余計なことしか言えない。そんなのばっかりだからたぶん大丈夫ですけど。