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夕方のオカルト

  どうして眠れないのか、考えてもそんなにたくさん理由があるわけじゃない、今日は起きてから何時間経ってるのか、何時間たっていたら寝るのに自然なんだろうか、いつまで経っても決まらない。 明日は4時に家を出て飛行機に乗らなきゃいけない、本当にそんなことが可能なのでしょうか、買ったまま見ていなかった映画を見た。 その映画はインターネットで存在を知って、インターネットの通販で買った。僕らはいくら映画や小説をすきといっても、インターネットを否定できない。 子どもの頃使ってた鉛筆立てが出てきて、変なシールが貼ってあっておもしろかった、最近はベイブレードも発掘して遊んでいるし、どんどん子供に戻っていく、というか大人だったことなんてあるんでしょうか。 小学生のころ、夕方、授業中だった気がするけどそうじゃないかもしれない。 窓の外、夕焼けに飛行機が飛んでいたのを友達と見ていた。 手前には宇都宮の街が見えている、 飛行機の形は窓の中を、左から右へまっすぐ進んでいって少し高いマンションか何かの建物の後ろに入って、そのまま出てこなかった。 その時はやっぱりオカルトがはやっていて、あれはUFOだと、たった今見ていたことを証言しあった。よくわからない話だけど、説明がつかない、ということを言われるとドキドキしてしまう。バカみたいですが。

この川に

  表参道のアップルストアに犬が入っていくのを見た、黒に近い茶色でプードルみたいなそこそこ大きい犬、それは別に禁止ではないんだと思った、飼い主がきちんと予約していれば。今はどうなんだろう、一時期は、ちょっと新しいパソコンを見たいだけなのに予約しないと入れませんと言われて、不機嫌になったりした。犬の話ばっかり、人間よりも犬の方が少ないから、犬がいると目がいくし、犬にとってもそれは同じだろうか。 井戸川井子の小説を読んだ、すごく共感できた気がする。すきとか愛してるとか、人に向けてなくて言ってもいいんだと思った。 帰り道、今の帰り道には、 早く帰れる電車と遅くなる電車がある。 速い方はすごく混んでいて、人間の乗る乗り物ではない、動物にだってかわいそうだし、あれは本当はどこにも存在してはいけないものです。 それで遅い方はそこそこ空いているけど、30分くらい遅くなる。でも遅い方は、扉の上の電光掲示板に滅多に駅の名前が表示されないから、ちゃんと聞いてないと今どこについているのかがわからないくて、結構困る。 今日は遅い方に乗っているけど、どこかの駅で止まったとき、開いたドアの方を見たら、真っ白な何もない壁があった、何があるのか一瞬わからなくて、外の景色がものすごく霧がかっているように見えて、ちょっとくらっとした。今日はなんかちょっと変な人ばっかり乗っている気がする。 新百合ヶ丘に着いたらみんな降りて、やっと静かになった。腕に謎の腫れ物ができたので、来週には病院に行かなきゃいけない。 昨日はすごく暖かくて強い風が吹いていたから、ベランダに出たら気持ちが良かった。

君は雷鳴製造機

僕は 顔認証をするときいつもちょっといい顔をしています、いつでも携帯に見られている。 SNS の正しい使い方ってなんなんでしょう、ずっと前に先輩が、 SNS は人の悪い部分が出るよねって言っていたこと、また別の先輩が、 SNS では本当に大事なことは言いたくないって言っていたことを覚えている、先輩の発言を僕はけっこう覚えていますよ。 写真が上手くないからみんなが載せているような写真が撮れなくて、大学の写真の授業でも全然褒められなくて、提出の日にやけくそで自分の家の汚い台所の写真を撮って出したらそれだけちょっと褒められた、あれもお情けだったかもしれないけど、でも褒められていた人たちの写真も必ずしもみんないいとは思わなかった。 車のカーステの部分がおかしくなって、携帯から音楽が流せなくなったので、仕方なくラジオを適当に聴いていたら、ラジオの人が「最近ねこの国っていうネットスラングがあるのを知っていますか?」 と言っていた。ちょっと気になって聞いていたら、終わってるねこの国、っていう意味らしくてがっかりした。そんなことみんなわかってても楽しくやってるんです、ねこの国の方がましだとしても。

シルバーレイク・ストーリー

  少しは勉強のためと思って映画を観るようにしていたのが意外と続いている、 好きな映画とかおもしろかった映画はあんまり人に教えたくないんだけど、すごく変な映画があって文章にしたくなった。 少し高級な住宅街に、無理して住んでるちょっと冴えない若者がいる。部屋の窓から大きな綺麗なプールが見える。 向かいには綺麗な女の子とかセレブみたいな人が住んでいて、ドキドキしたりしている。 ある日近所の素敵な女の子と仲良くなるんだけど、それからすぐに突然失踪してしまう。家はもぬけの殻で、意味深な暗号みたいなものが壁に残されている。 なにかに巻き込まれたんじゃないかとちょっと心配になって、名前もしらない女の子を探してみようとすると、思っているより遥かに大きなアメリカの、世の中の闇を知ってしまうことになる。夏の話。 こう書くと結構面白そうなんだけど、 そんなに面白くはないと思います。 2 時間半は長いし、映像が特に綺麗なわけではないし、なんか A24 っぽいし ( ここの映画はすぐ意味深でごまかす ) 、そもそもなんで彼があんないい家に住んでるのかもよくわからない。 全ての出来事がふわふわしていて、起きたら寝汗かいてる長い夏の夢のようで 結局のところ世の中をどこまで深掘りしようと、自分にとっての世界は自分の気持ちでしかないような、そんなメッセージもあるのかないのかわからないようなつかみどころのない話。 ふざけていたり、こわかったり色々と気になるシーンはあるんだけど、なんか全体的にバラバラで、ただその女の子は犬を飼っている、そのことが結構重要なことだった。 最後のシーンでなんか急に悲しくなって泣きそうになった。 すごく思い出したりする映画でもないんだけど、自分が忘れてしまったら世の中から消え去ってしまいそうで、印。 本当は 1 番人に教えたくないかんじの映画について書いてしまったのかもしれないけど、もうしょうがないです。

summer greeting card

  すごく暑かった日、会社に行ったらはじまりが 2 時のはずが 4 時になった。暇つぶしに読む本がほしいと思って散歩していたら、狭い道のはじっこに小さい本屋を見つけたので入った。 そこには向田邦子の本がたくさんあって、読んだことないエッセイをひとつ買った。 そこのおじさんは当時の向田さんのことを色々話して、オールヒットでしたね、と言っていた。 この近くにに本人が住んでいたマンションがありますよ、と教えてくれて ちゃんと暇だったので行ってみた。 黄色いタイルで、骨董通りの一本向こうの、イッセイミヤケの向かいの小さな神社の、、と一生懸命に教えてくれたけどよくわからなかったので地図で調べた。 思ったより大きな黄色い、というかベージュのマンションがあって、ここで向田さんはたくさんの猫を、と思った。 今日の仕事は無しになったと言われて、その日は神宮球場では試合がなかったので、渋谷の映画館まで大きな道を歩いて行った。リードをつけていない小さい犬があるいていて、なんとなく、この犬はチャッピーだと思った。ぴったりでいい名前だと思ったけど、この間そのへんの猫につけた名前もチャコだったのを思い出した。 青山ブックセンターは大きすぎるので行かなかった。映画のチケットを買うか、先にご飯を食べるか迷っているところで、やっぱり仕事になったと言われたので、うどんを食べて歩いて戻った。

キツネ

  夜、寝る前、もう少しで寝る体勢に入ろうというところで携帯の充電が切れた。急に手持ち無沙汰になった。なんとなくぐったりした気持ちになったあと、思いついて、インターネットで、きつねの動画を見たいと思って、検索した。 うちはテレビでネットが見られるようになっている。映画を少しでも大きい画面で見るために。 検索しても、あまりいい動画はなかった。 自分がいま見たかった、理想のキツネの映像は、画質がすこしぼけていて、あまり近くから撮っていなくて、ピーターラビットみたいな音楽が小さくかかっていて、おばさんの声でナレーションが流れているような、それでキツネは緑の上を何かを探して歩いているような、そういうもののはずだった。そういうものを見たことがあった気がしたけど、見つからなかった。 広い世界なのかなんなのかよくわからない、けどたとえばこのテレビを、その中の細かいひとつひとつを完璧に作っている工場がどこかにあることを想像すると、よくわからないけどぼーっとしてそんなことを考えていた。 ナショナルジオグラフィックの映像は割とよかったので、見ていたけどあまり頭に入ってこなかった。獲物を食べている映像にはモザイクがかかっていて、自然には悪いけど安心してしまった。

黒い犬

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  あんまりかたらないほうがいい人、会ったこともあんまり思い出したくないような人っていませんか、こういう表現しかできないのだけど、とにかくそういう人のことでもやたら覚えてることがあったりして その人は車を運転している時、目的地に着くまでどれだけ眠くても途中で寝たくないと言っていて、そこだけすごく共感した。 母方の実家が北海道の帯広にある。 帯広というところはすごく田舎で、むかしから夏休みや冬休み、長い休みのたびに帰っている。 ここは昔からそんなに街並みが変わっていないような感じがする。 年に一回くらいしか来ないので、そんなに記憶が更新されないというか、 20 年経ってるのにいた時間は一年くらいだから、最近のことに感じるというか、そんなこともあるんでしょうか、ちょっといいすぎかもしれないけど、そういう感じがする。 祖母はよく喋る、焼肉を食べながら昔飼っていた犬たちの話をしていた。逃げたり、戻ってきたり、盗まれたり、犬の人生はむかしの方が波瀾万丈かもしれない。 祖母の家の隣にはむかしシマジロという犬がいた。北海道なのに外で飼われていて、大きくて黒い犬だった。細長いコンクリートのスペースの真ん中あたりにシマジロの犬小屋があって、長い鎖が繋いであるので、シマジロはそのスペースの中を歩くことができた。 あまりきちんと世話されているように見えないシマジロに祖母や近所の人はエサをあげたり毛布をあげたりしていた。 僕らも帯広へ行くと、さわったり追いかけられたりして遊んでいた。こちらも子供だったから、追いかけられると結構怖くて、ゆっくり過ごすようなこともなかったから、あまり朗らかな時間ではなかったように思う。 シマジロの飼い主は杜撰で、結局とうとう飼いきれなくなった。保健所へ連れていこうとしたのを周りがひきとめ、なんとかもらい手がみつかったらしい。 今頃はきっと死んでしまっているだろうと、祖母は言っていた。祖母の話はあんまり聞いていないけど、これだけは覚えておかなくてはと思った。自分の人生に関わる犬たちのことを忘れてはいけない。 自分は、シマジロに対してあまりやさしさを向けていなかったと思う、 よくわからないけど、あの頃の自分にとってシマジロは、友達とか家族というものとは結びつかなかった。なぜか隣にいる、ただの 1 匹の犬でしかなかった。 シマジロがどういう性格の犬だったのかも、結局

ぼくらの闇

  あなたを構成する 3 つの要素は?みずとか、肉とか、もっと言えばタンパク質とか、そういうのでしかないはずなんだけど、そういうことではなくて、いろんなことを言ってしまう。 本当はむきになるようなことはやめたいんだけど、やめたつもりでいても、むずかしい。 たとえば車が危ない運転をして横をすり抜けていって、そこで事故ってしまえばいいのに、でもそれは危険な思考かもしれない、犬とかもそういうふうに感じたりすることがあるんだろうか、誰かのためにと口で言うのは簡単だけど、逆の効果になってしまうことはすごく多い、寝すぎると余計に眠くなるとか。 犬のことが好きだけど、犬がみんな自分のことを好きなわけではない。犬がいつも機嫌がいいわけではないことをたまに思い出す。 それでも無理矢理片付けるなら、三つの要素、優しさと後ろめたさと思い出だと思った。スーパーダークタイムズ。

さむい日

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  最近全然小説を読んでない、最近というかもうずっと。特に高校卒業してから、そんなこと考えても仕方ないけど、減っている。だんだん頭がわるくなっていく。何を書こうとしたか忘れてしまった。 それでも今日はレイモンドカーヴァーの、ジェリーとモリーとサムっていう短編を読んだ。よく読み返す村上春樹のファミリーアフェアに似ていると思った。薄い氷の上を歩いてるみたいだ、と主人公が言っていた。 無理やり感想を言ってもしょうがないけど、しっくりきたのできっとまた読み返すと思う。 大学受験の時、一年前に合格していた友達の家に泊まった。 彼は大学から近すぎるところに住むのは嫌だと言って、一駅くらい離れたところに住んでいた。家はそんなに気に入ってたわけではないみたいだけど。 大学までは歩いて 30 分くらいかかる距離だったけど、なんとなくその四日間は歩いて通った、犬を散歩している人が多くて、行きと帰りでいろんな種類の犬を見ることができた。 初めて最寄りの駅で降りた時は夜で、すごく寒くて、雪がまばらに降っていたけど、足元ではすでにぐずぐずになっていた。薄暗かった。 2 月の寒さのことを考える時、そのことが基準になっている。スーツケースを持って、駅から 1 人で歩いて行ったと思う。 受験は案外早く終わるので、その四日間は帰ってくると昼寝をしたり、映画を見たり、ファミレスでダラダラしたりしていた。 第一志望の受験は終わっていて、それでも緊張感はあるけど少しほっとしたみたいな不思議ないい時間だった。 初めてバトルロワイヤルを見て、夢にも出てきた。 いちおう受験生の自分をロフトに寝かせてくれて、彼は下のこたつで寝ていた。 寝る時、友達はとっておきのものがあると言って、長いペットボトルのようなものを出した。 昔お土産で買ったんだ、うまくやると光ってくるくる回ると言っていた気がする。でもその日は結局うまくいかなくて、光るところは見られずに寝てしまった。 結局受かったので、入学してからも何度もその家に行ったけど、自分が大学二年生くらいの頃にその家は引き払ってしまった。自分のことのように悲しかった。 そのあとも大学からその家のあたりの道はよく散歩した。 受験が終わって帰る時、どんなふうに見送ってくれたのかはあんまり覚えてない、晴れていて、駅の写真を撮った気がする。

2023

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  30 日に忘年会があると聞いて、逃げるように北海道の実家に帰ろうと思っていたけど、全然まったく仕事が終わらないので、 2 月に行くことにした。 去年の年越しは映画を見に行っていた。正確に言えば帰りの車を運転しているときに年を越した。エドガーライト。ずいぶん昔のことに感じる。今年はあんまり良い感じの映画がやっていなかった。 大晦日は家で本を読んだりご飯を作って食べたりしていたけど、どうも集中できなかった。仕事も進まないし、夜、バッティングセンターに行こうと思って 2 軒回ったけど大晦日なのでどこも閉まっていた。仕方なくマックを買って帰った。ダブルチーズバーガーのセットでファンタグレープ。ポテトは L サイズ。ナゲットもつけた。道はすいていて、青信号が多かった。 あまりにもいいかげんな大晦日だったので、今年の年末は 2 月に持ち越すことにした。そんなことができるんですね。 一日は 16 時まで寝てしまった。年越しには大きい亀を捕まえる夢を見た。すごく自分に懐いているみたいだった。新年早々憂鬱で、今年はあんまりいいことがある気がしないな。でもがんばってください。